株価は企業の業績に応じて、上下します。
しかし、実際には市場関係者の様々な思惑で株価は動き、必ずしも業績に連動するものでは有りません。業績が良くても、既に株価に織り込み済みであれば決算後に株価は下がりますし、業績が悪くても市場予想より良ければ上がる場合も有ります。
そんな時にはテクニカル分析による売買判断が必要です。
トレンドラインを活用すると、相場の流れを視覚的に捉えやすくなり、売買判断の助けになります。
本記事はテクニカル分析の名著、マーケットのテクニカル分析を基にした記事になります。

マーケットのテクニカル分析 トレード手法と売買指標の完全総合ガイド (ウィザードブックシリーズ) [ ジョン・J・マーフィー ]
1. トレンドラインとは?
株式投資はトレンドの流れに乗って、売買する事が必須です。
初心者は上昇トレンドにある株を見つけ、押し目買いで買い、高値を更新したタイミングで売却する事で勝てる確率が高いと考えます。
トレンドラインとは、価格の動きを線で結ぶことで、相場の方向性を判断するためのツールです。主に以下の3つの種類があります。注意すべきは、相場は通常一直線に動かず下記の図のようにギザギザに進むものです。
- 上昇トレンドライン:安値同士を結んだ線。上昇基調にあることを示す。
- 下降トレンドライン:高値同士を結んだ線。下降基調にあることを示す。
- 横ばいトレンド(レンジ相場):価格が一定範囲内で推移する状態。

① 上昇トレンド
上昇トレンドとは切り上がっていく高値と切り上がっていく安値の連続した動きです。
上昇トレンドで買い、下降トレンドに転換するタイミングで売却する事が出来れば利益を最大化する事が出来ます。
とはいえ、プロでも相場の底値と最高値は分かりません。初心者はまずは上昇トレンドにある銘柄を買い、上昇トレンドが続く中で売却する事をお勧めします。
② 下降トレンド
下降トレンドとは切り下がっていく高値と切り下がっていく安値の連続した動きです。
下降トレンドでは空売りする事で、利益を得る事が出来ます。
とはいえ、追証のリスクなど現物取引には無いリスクがある為、下降トレンドの銘柄には初心者は手を出さない事をお勧めします。
③ レンジ(横ばい)
レンジ相場とは株価が一定の価格帯で、推移している比較的値動きが安定した状態です。
レンジ相場の下の方で購入し、上の方で売却すれば一定の利益を狙えます。
また、レンジ相場を上抜けた時や下抜けしたタイミングで購入/ 売却の判断に役立てる事が出来ます。
2. なぜトレンドラインが重要なのか?
トレンドラインを活用すると、
- 相場の転換点を予測しやすくなる
- エントリー(買い時・売り時)の判断がしやすくなる
- 感情に左右されず、冷静な売買ができる といったメリットがあります。
① 相場の方向性を明確にできる
トレンドラインを引くことで、現在の市場が上昇トレンドなのか下降トレンドなのか、または横ばい(レンジ相場)なのかを判断しやすくなります。これにより、「今は買い時か、売り時か?」を客観的に見極めることができます。
② エントリー(買い時・売り時)を明確にできる
- サポートライン(下値支持線) → 価格がここで反発するなら「買い」サイン
- レジスタンスライン(上値抵抗線) → 価格がここで反落するなら「売り」サイン
- トレンドラインをブレイクしたらトレンド転換の可能性 → 新たな売買チャンス
③ 感情的な売買を防げる
トレンドラインがあることで、「なんとなく上がりそうだから買う」といった感情的なトレードを避けられます。明確な基準があることで、冷静な判断が可能になります。
④ 他の指標と組み合わせることで精度が向上する
移動平均線や出来高と組み合わせることで、ダマシを見抜くことができ、より正確なトレード戦略を立てられます。
特に、初心者は「どこで買って、どこで売るか?」に悩みがちですが、トレンドラインを引くだけでも、視覚的に売買ポイントが明確になります。少しずつ練習しながら、活用していきましょう!
3. トレンドラインの引き方
実際にトレンドラインを引く方法を見ていきましょう。
- 上昇トレンドでは、2つ以上の安値を結ぶ。
- 下降トレンドでは、2つ以上の高値を結ぶ。
- なるべく多くの価格がラインに接するようにする。
例えば、豊和工業(6203)の過去のチャートを見てみると、
(豊和工業についてはこちらの記事で紹介しているので宜しければどうぞ)

- 2024年9月から2024年11月にかけての上昇局面では、安値を結ぶことでサポートラインが形成。
- その後、2024年11月11日に大きく上昇し新たなトレンドを形成した為、再度トレンドラインを引き、サポートラインを形成。
4. トレンドラインを活用した売買戦略
① サポートライン・レジスタンスラインの活用
- サポートライン(下値支持線)で反発したら買い
- レジスタンスライン(上値抵抗線)で反落したら売り
- ラインをブレイクしたらトレンド転換の可能性
② ブレイクアウトを狙う
トレンドラインを超える「ブレイクアウト」は、新たなトレンドの始まりを示唆することがあります。
- 上昇トレンドのブレイクアウト → 買いエントリー
- 下降トレンドのブレイクアウト → 売りエントリー(または買い見送り)
③ ダマシに注意
トレンドラインを一時的に超えても、すぐに元のトレンドに戻ることがあります。
- 出来高が伴っているかを確認する(出来高が増加していれば信頼性が高い)
- 移動平均線と組み合わせる(ゴールデンクロス・デッドクロスと併用)
5. 実践編:豊和工業(6203)のトレンド分析
先程の豊和工業のチャートを例に、トレンドラインの活用を見てみましょう。

① 上昇トレンドの形成
- 2024年9月から2024年11月上旬にかけて、安値を結んだ上昇トレンドラインが機能
- この銘柄では2024年11月11日に大陽線をつけ、新たな上昇トレンドを形成
(およそ3ヶ月毎にトレンドが形成される事が多い気がします。)
② 下降トレンドの出現
- 2024年中旬以降は、トレンドラインが機能し、急激な上昇トレンドを形成
- 2025年上旬にトレンドラインを大幅に下回っている事が確認出来ます。
その後、再度上昇するも2月以降は明確な下降トレンドに移行
③ トレンドラインの活用法
上記のチャートから、トレンドラインを利用した投資判断を考えます。
- 2025年上旬にトレンドラインを下回ったタイミングで利確する。
- 出来高の動きや移動平均線と組み合わせて判断。
– 例えば、2024年12月上旬には大陰線が続きました。しかしながら、2日連続陽線が続きその後再び大幅に上昇しています。ローソク足等の併せて判断すれば、このタイミングから買いに入る事も出来たかもしれません。 - ブレイクアウトが発生した場合は新たなトレンドに乗るチャンス。
– 2025年2月上旬に大幅にトレンドラインを下回っている為、利確/損切りが必要です。
5. まとめ
トレンドラインを活用することで、相場の方向性を視覚的に把握し、売買の判断がしやすくなります。
- まずはシンプルに、安値・高値を結ぶことから始める
- サポート・レジスタンスを意識する
- ブレイクアウトやダマシを見極める
実際のチャートを分析しながら、少しずつトレンドラインを活用していきましょう!
最後に…
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