トランプ後の世界を考える

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米国大統領選は主要メディアの予想に反し、トランプの圧勝で幕を閉じました。私は現在米軍基地での現地採用日本人として働いています。

その為、職場では常にCNN、MSNBC、FOXが流れており、党大会での各種演説やトランプ、ハリスの直接討論、各コメンテーターや現地のインタビュー等をつぶさに選挙期間を通して追って来ました。その中で色々思った事、そしてトランプ+イーロンマスクという予測不能な二巨頭が組んだ世界はどうなってしまうのか?色々書き留めていきます。

トランプの各種発言を考える

今回の選挙戦でも相変わらず、罵詈雑言を吐き続けたトランプですが中でも印象的なのは “They’re eating – they are eating the pets of the people that live there.”

やっぱりこれでしょう!笑

討論会での発言でしたが、いつも通り不法移民についての根拠の無いデタラメを話し始めたトランプがオハイオ州スプリングフィールドのハイチ移民について言及した際に出た言葉です。

CNN (一時保護資格の米国内のハイチ移民、「私に言わせれば不法移民」 トランプ氏)によればハイチ移民は合法的に滞在しているそうですが、トランプは彼らを不法移民だと決めつけ、色の黒い得体の知れない文明遅れのハイチ人は犬や猫を食べる、俺たちの大切なペットの命を奪うとんでもない野蛮人だ!と支持者に訴えた訳です。

州や地元の当局者はすぐさまこの事実を否定していますが、残念ながらトランプ支持者にはこのような発言が受けるのです。

公然と人種差別を煽り、罵詈雑言を撒き散らす暴走老人が世界の命運を握っている。。改めて絶望します

他に印象に残っているのは”floating island of garbage”でしょうか?こちらはトランプ本人ではなく、彼に呼ばれたコメディアンによる発言です。

プエルトリコ🇵🇷はゴミの島 – こういう面白くもない不快なジョークに喜びUSA!🇺🇸USA!🇺🇸とバカの一つ覚えのように喜んでるのがトランプ支持者なんです。

“ハリスが大統領になったらイスラエル🇮🇱は2年で消滅する!”

このような発言も有りました。自分が大統領になればイランからイスラエルを守れるが、ハリスではイスラエルが戦火に巻き込まれてユダヤ人国家が消滅する。

こうユダヤ人支持者に訴えた訳です。いつも通りの何の根拠も無い妄言です。

トランプ勝利の要因を考える

トランプ支持者とはどのような人なのでしょうか?一般的にはラストベルトの白人労働階級など、”安い移民に職を奪われた“という意識のある所謂ブルーカラー非大卒、これらの人々から圧倒的な支持を得ている事はよく知られています。

とはいえ、今回はかつては民主党を支持していた層からも幅広い支持を得ていたようです。
BBCのこちら(ラティーノも続々トランプ候補に投票 理由は「実に単純」と有権者)の記事で言われているのは、上記の従来からのトランプ支持者に加え、ラティーノや若者男性からも幅広い支持を得たという事です。ラティーノ有権者は従来、民主党の重要な支持層だったそうですが激戦州のペンシルヴェニア、ミシガン、ウィスコンシンの3州でラティーノからの支持を元に勝利したそうです。

ペンシルヴェニアではラティーノの人口が急増しているそうです、米国勢調査局2045年には白人がマイノリティになる事を予想しており、2060年頃にはラティーノが1億人を超える予想で米国の約3分の1を占める事になります。

将来のアメリカを考える上でもラティーノの動向はますます重要になっていくでしょう。個人的にはラティーノが増えたアメリカ🇺🇸と隣国のメキシコ🇲🇽は将来に渡って関係が深まっていくと考えます。

出典: (BROOKINGS, “The US will become ‘minority white’ in 2045, Census projects“)

トランプ後の世界を考える

さて、トランプ後の世界です。

ChatGPTにトランプ後の世界を問うと、以下の5つを挙げてくれました。

  1. 多極化する国際秩序
  2. 中国との対立深化
  3. 中東情勢の不安定化
  4. 気候変動とエネルギー資源
  5. テクノロジー競争

基本的には米国が内向き志向になるのは間違いないので、”世界の警察”としての米国の圧倒的な軍事力で保ってきた第二次世界大戦以降の国際秩序は終わりを告げる事になりそうです。その間隙を中国🇨🇳やロシア🇷🇺、インド🇮🇳等が埋める(自国有利な秩序の構築に動く)事になるでしょう。欧州や日本🇯🇵、韓国🇰🇷などの米国に軍事的に強く依存する地域には第二次世界大戦以来の試練となりそうです。

ヨーロッパではウクライナ🇺🇦への支援中止による、ロシアがウクライナ領土を割譲する形での終戦は現実になるかもしれません。

中東では親イスラエル🇮🇱的な政策がますます強くなります。米国の後ろ盾を元に、イスラエルのパレスチナ、イラン、各親イラン勢力への武力攻撃は激しくなるでしょう。イランによるトランプ暗殺未遂等も報じられていましたが、トランプはイランへ強硬姿勢で臨むと思われます。イスラエルとイランの直接衝突は第三次世界大戦への入り口です、注視したいところです。

日本にとって、気になるのは台湾有事ですがこちらもかなり厳しい状況になりそうです。これからのトランプのロシアへの対応次第ですが、ウクライナが領土を割譲される形での終戦が現実となれば、中国が台湾侵攻を決断する可能性は高いと考えます。

巷では2027年が叫ばれていますが、どうでしょうか?ここまで日米の情報機関が2027年という年号を強調している以上、中国も馬鹿じゃないので2027年を待たず侵攻する可能性も考えるべきです。

不動産価格の下落による中国経済の減速は想定以上で、若者の失業率は20%を超えているとも言われています。内政に目を逸らすために、外敵を作る、人類の歴史上常に行われてきた事です。習近平は、トランプが大統領になりほくそ笑んでる事でしょう。

何度も台湾有事への武力介入を口にしたバイデンと違い、トランプは武力介入を肯定も否定もしていません。しかしながら、トランプは台湾🇹🇼を米国から半導体を盗んだ!と批判しています。現時点で、台湾海峡で武力衝突が起こった際は米国の介入に期待出来ないでしょう。

気候変動についてはトランプは再度パリ協定を離脱する可能性は高いでしょう。地球温暖化?そんなの関係ねえ!って感じですね。

テクノロジーに関しては、米中でのサイバー空間を中心にこちらも米中間の覇権争いが激化します。既に米中間では半導体を中心に、安全保障上の懸念からそれぞれ対中、対米輸出を禁じる技術は多々ありますが、日本を含む同盟国を巻き込んで中国製のAI、ソフト、サイバー技術への締め付けは厳しくなると想像されます。

とはいえ、中国への深い繋がりがあるイーロン・マスクを側近に抱えますので読めないところではあります。

トランプが日本に与える影響を考える

最後に我が国への影響を考えます。

1. 貿易と経済
  トランプの基本的な貿易政策は全ての外国製品に20%の関税を掛ける事です。当然、日本の自動車をはじめとする輸出産業は大打撃を受ける事が予想されます。とはいえ、外国製品に関税を掛ければ、米国内の物価高を抑えるどころか、更なる物価高、ひいてはインフレ退治など難しくなります。これでは米国民の期待を裏切る事になるので、トランプはどう動くのか?不明です笑

2. 安全保障
  安全保障に関しては、NATO同様に駐留米軍費の負担増大を厳しく迫って来るでしょう。トランプの根本にあるのはなぜ日本はアメリカを守らないのにアメリカが日本を守る必要があるのか?

これにつきます、安倍さんは上手くやっていましたが石破さんでは厳しいでしょう。日本のアメリカの防衛に対するメリット/貢献 – これをしっかり提示しない限り、言いようにお金を要求されるのは目に見えています。お先真っ暗ですね。

所謂ネトウヨ等を中心になぜかSNS等ではトランプが大人気ですが、世界/日本への影響を考えれば害悪さえあれど、トランプ誕生を喜ぶ理由など何一つ有りません。とは言え、これがアメリカ国民の総意な訳ですからどうしようもありません。ますます混沌としておくであろうこの世界で僕たちはどう生きていくのか?日本は何処へ向かっていくのか?お先が真っ暗な気もしますが、どうにもなりません。

残念ながら、私達が生きている間に日本が戦火に巻き込まれる事はほぼ確実だと私は思っています。平和ボケした日本人には厳しい時代になりそうです。

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